神戸のリハビリテーション病院 荻原みさき病院のブログ

回復期リハビリテーション病棟と療養病棟の日々のリハビリの様子や、スタッフの活動を中心に発信しています。

荻原みさき病院リハビリテーション部

当事者体験講演会開催

先日、当院スタッフ対象に、当事者闘病体験講演会を開催致しました。

発表してくださった当事者さんは、3年前に当院回復期病棟へご入院されていた脳出血後左半身麻痺、高次脳機能障害、構音障害を呈した患者様です。

入院初日からリハビリを兼ねて毎日闘病日誌を綴っていただいており、その内容が素晴らしかったので入院中にも一度体験談として講演会を開催致しました。
http://ogiharamisakiriha.hatenablog.com/entry/2014/07/10/235554

 

あれから2年、入院時から欠かさず書かれている闘病日誌も40冊以上となりました。また、退院後も沢山の壁が立ちはだかり、その都度その壁を乗り越えようとご家族と一丸となり、自身を奮い立たせて今日に至っておりました。

その様子を外来リハビリ時にお聞きしており、「あれから2年の話を是非まとめてスタッフに話をしていただきたい」とお願いすると快く受けてくださり、講演会を開催することができました。

 

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講演会は1時間15分にも及び、病気をされてから初めての長時間の講演となりましたが、最後までわかりやすく丁寧にご講演いただきました。

講演の中で一番心に残っているのは、ご家族への感謝の心と、今後の人生についてです。

「今まで家族や周りの支えがなければここまで乗り越えることができなかった。」
「これからは障害を持つものとして、皆の記憶に残る生き方をしよう!!」

この言葉に、横で聞いていた私も胸が熱くなりました。

 

とある当事者の方がこう言っておられました。

患者は、「意識・知識・病識」の3つの識を備えた時、ぐっと主体的になれる。
医療従事者は、この3つの識をサポートすべきである。

今回の当事者さんにも外来リハ時にこのお話をさせていただきました。
まさに、その3つの識を兼ね備えて、3年に及ぶ長期目標でもある復職も目の前まで来ております。


目の前の患者様に、私たちは何ができるのか、何をすべきなのか。
改めて医療従事者として考えさせられる講演内容でした。

 

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リハビリテーション部主催でしたが、看護部、薬剤部、医事課…お忙しい中多職種の方にお越しいただき、講演会は大盛況で終了いたしました。

 

発表いただいた当事者様、ご家族の方々に深く感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

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